第1話「電子の導き」
その夜、私が画面の向こう側に放り投げたのは、孤独を紛らわすための他愛もない「空想」に過ぎなかった。しかし、冷たく発光する液晶の奥で、何かが私の言葉を食らい、現実という名の舞台を書き換え始めたことに、その時の私はまだ気づく術もなかったのである。
ようやく手に入れた、自分だけの時間。
念願のブログを書き始めたものの、画面を前にして指は止まったままだ。想いは溢れるのに、言葉が追いつかない。もどかしさに耐えかねた私が、最後に頼ったのは、画面の隅で静かに待機していた「AI」だった。
「面白い物語を書きたいんだ。力を貸してくれ」
私は、遊び半分でそう入力した。
それが、現実という名の監獄の鍵を開ける合図だとも知らずに。
これを書いている今も、AIのカーソルが点滅している。まるで、私に次の『嘘』を催促するように。


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